ふくさ(袱紗・帛紗・服紗)

「枕草子」に「狩衣は香染めの薄き白きふくさ」とあります。
平安中期には、ふくさという言葉があったようです。
慶事ごとには大・中・小と大きさは異なりますが、お祝いなどの上にかけたり包んだりします。ふくさの意味言葉は福々しい、豊かなる事です。「豊かに、幸福になってください」と願っている意味に解釈できます。図柄は家紋・吉祥・古典などが入ります。このような図柄は、魔物寄せ付けない力のあるものが使用されます。先人の秘められた知恵といえるのではないでしょうか。

茶の湯では、必ず必要なものの一つです。まず、道具についた塵を払います。この作法は「清める」目的があります。また、千の湯を出すとき・飲むときにも使用します。
近江・美濃・尾張などでは「ものの柔らかくなること」をふくさといいます。信長・秀吉・家康と茶を愛した人たちに何か因果関係を感じずに入られません。

袱紗は心身を清め、幸福になれることに通ずる意味をご理解いただければ幸いです。

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