和服裁縫を略して、和裁という。その裁ちの基本となる裁ちの構成と縫い作業は、洋裁とは異なり、一定している。和裁の大きな特徴は、直線裁ちである。
裁つ前に反物のムラ、キズ等の有無を調べる。布地は、耳のつれ、布地のゆるみなどの伸縮が多いので、狂いが出ないように地直しをする。次に、仕立てで一番重要でむつかしいのが裁断である。反物から着物へ美しく縫い上げるために、和服の生命である柄を合わせ、寸法通りに仕立てる必要がある。裁ち方では柄合わせが一番のポイント。布地を裁つ場合には、布目通りに鋏を入れて裁っていく。へら付け、そして縫製。縫製は、和裁の基礎であり、「運針に始まり、運針に終わる」と言われるほど熟練を要する。一針一針が真っ直ぐに縫えるようになってはじめて一人前と言える。縫い目をきれいに見せるためにきせをかけて、縫い代を片返しにする。和服が縫い上がれば仕上げをする。