製糸作業中もっとも重要な工程である。乾繭→貯繭→選繭等の準備段階を経て、繰糸に適当な繭が選ばれる。選ばれた繭を煮繭工程で90~100℃の熱湯中で約10分間煮繭するが、これは繭糸の解離を容易にする作業で繰糸能率、糸量、生糸品位などに与える影響が大きい。
糸繰り工程は、煮熟した繭の糸口を繰糸湯に入れ、数本の繭糸を合一して撚りをかけて繰糸し、集緒器の小穴を通して抱合密着させて1本の生糸として枠に繰り取る作業である。繰糸機は古くは座繰機であったが、近年著しく進歩して高速自動繰糸機が登場した。繰糸中の生糸の太さを自動的に感知する繊度感知機構を備え、索緒―繭補給―接緒、落繭―輸送―分離および関連作業が自動化されるようになってきている。



糸繰り