紋上絵は、白く染め抜かれてある紋に種々の紋様を描くことをいう。一定の画・様式による共通の書き方がある。紋の表し方として、紋の形を白で染め抜く「陽(ひなた)紋」、紋の形を輪郭だけ細く白く抜く「陰(かげ)紋」、紋を半分だけのぞかせた「のぞき紋」等がある。紋の種類は、本紋・伊達紋・狂紋・崩し紋…等、約3,500あるといわれる。

〈紋章工芸の工程〉

1)石持(こくもち)紋入れ…紋場が丸く染め抜かれている所に紋を入れる。

2)染め抜き紋…紋場が定紋の形に染め抜かれている所に上絵をかく。

3)摺り込み紋…紋場が染め抜かれていない無地の所に、別の色で紋を摺り込む。

4)切り付け紋…別の生地で紋を作り、現反の紋場に貼り付ける。

※ほかに、無地の着物などに刺繍で紋を表す、「縫紋」がある。


紋上絵(摺込紋)


紋上絵(仕上げ)