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糸目糊置は、下絵の線に沿って、生地の上に糸のように細く糊を置いていく作業である。のちの挿し友禅で、模様に染液を挿すときの防染の役目を果たすが、それが終わると水洗で洗い落とされ、糸目として白く浮き上がった跡は、独特の美しさを表現し、友禅染の配色をより引き立たせる効果がある。まず、下絵を描いた絵羽縫いを解き、合口の中の模様を描き足す。それを反物の形に戻し、その裏から大張り子張りの順に伸子を掛け生地を平均に張る。次いで糊筒(柿渋を引いた和紙を筒状にし、その先に真鍮製の口金をつけたもの)に糸目糊を入れ、人指し指の腹で少しずつ絞り出していく。糸目糊置が済んだら乾燥させ、糊糸目の場合は生地の裏から霧吹きで水をかけ、糊を密着させる。ゴム糸目の場合は揮発油を、霧吹きで吹きかける。
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糸目糊置
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