糸の元、すなわち原糸は、撚糸・精練・糸染の工程を経て、 糸繰へと移る。糸繰とは、糸染で染め上がった綛状の糸を糸枠に巻き取り、整経あるいは横巻きの工程で仕事をスムーズに行えるように準備をする工程である。
かつては手繰りの方法がとられ、たたりと呼ばれる3本の棒の付いた道具に綛糸をかけ、糸の一端を天井の竹にくぐらせ、これを30センチほどの棒に刺した糸枠を手で持って回しながら巻き取っていた。
それが、江戸時代にぜんまい式の自動糸繰り機が発明され、それを機に次々と改良が加えられた。明治41年ごろにはモーターを動力とする糸繰機が登場し、現在に至っている。



糸繰り