型置作業には、丸刷毛で染料液をつける摺込友禅と、色糊を 駒篦でつける写し友禅禅がある。その他に型紙で防染糊をつけておいて防染糊のない部分に刷毛・筆で色挿しをする型による堰出し友禅もある。これらの代表的なものが紅型染めと型絵染めである。
型置で注意すべきことは、送りと型合せであり、型送りの口切り作業が特に難しい。
また必ず一色一色乾燥して後、次の型置をする。
〈色糊の調整〉液場で調整した色糊は、型置 前に型置しやすい粘度に再調整する。型置する場合、柔らかい糊では型の先鋭度が落ち、反対に粘度の高い色糊で型置すると型際が美しく上がらず、また型置する人の力も十人十色なので、色糊の粘度もこれに合わせる必要があるからである。
〈型紙の準備〉和紙を型地紙とした型紙は、 水を含むと伸び、乾燥すると縮むように、型紙に含まれる水分量によって型紙の伸縮性が変化するため、型のサイズが安定しない。このため、型置するときは、前準備として、型紙を水で濡らし、型紙が伸びきった状態を常に保つようにする。

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型 置

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摺り工程

 

〈型置作業〉 写し友禅の型置では、まず全体の輪郭をつかむため、糸目型で糸目糊を入れることから始める。そして模様を染めつけていく型置に入るが、重ね色の効果を出したい場合は、型置前に生地を浸染で染色するとよい。
型置の順序としては、淡い色の部分→小さい面積の部分→濃い色の部分→広い面積の部分というように型置していく。ただし、美しくてその模様のポイントとなる部分がある場合は、その部分を先に型置し、模様が離れている飛び柄の場合は後で型置する。また、胡粉の入る白い部分の模様の型置は、模様を染めつける作業の最後に行う。
次いで、最終的な地色の型置となるが、この場合は、先に型置した模様をすべて遮蔽し、その後、地色となる部分を彫った型紙を使って型置する。
摺込友禅の型置では、型置ごとの乾燥は必要なく、また摺り込まれる染料液の量も極めて少量なので、連続して型置することができる。このため染工場では、1反の生地に連続して型置し、染め上げている。