一般に、型紙用紙は型地紙>と呼ばれる。京の型染め業界で は、これを単に「型紙」という。型紙には和紙と合成紙の2種類があるが、ここでは和紙による型紙を解説する。
型紙は、型つけ時において伸縮等による変形をせず、耐水性を持ち丈夫でなくてはならない。そのために、純楮(こうぞ)の手漉き和紙を用いている。和紙は手漉きの際に繊維が同一方向に並ぶので、型紙の紙の目が縦横に重なるように2~4枚を良質の柿渋で貼り合わせる。
〈ほぞくり〉型紙を作るために、型紙の規格 に合わせた和紙を裁断することを「ほぞくり」という。
〈紙つけ〉裁断された和紙を柿渋で貼り合わ せることを「紙つけ」という。
〈渋枯し〉生紙(なまがみ)を枯らすこと で、自然枯しと室(むろ)枯しの方法がある。

型紙の種類
〈大きさ〉
 

タ テ

ヨ コ

小紋型用  3丁判 1尺8寸(54.5cm) 1尺2寸5分(38cm)
      4丁判 1尺8寸(54.5cm) 1尺5寸  (45.5cm)
縞模様型用 角 判 1尺8寸(54.5cm) 1尺8寸  (54.5cm)
      5丁判 1尺8寸(54.5cm) 2尺2寸  (67cm)
着尺柄型用 6丁判 1尺8寸(54.5cm) 2尺5寸  (75.8cm)
      8丁判 1尺8寸(54.5cm) 3尺    (90.9cm)
附下、大柄 9丁判 1尺8寸(54.5cm) 3尺6寸  (109cm)
      10丁判 2尺2寸(67cm) 3尺    (90.9cm)
      13丁判 2尺5寸(75.8cm) 3尺    (90.9cm)
      風呂敷判 3尺  (90.9cm) 3尺    (90.9cm)
      貿易判 3尺  (90.9cm) 6尺    (181.8cm)
      手拭判 1尺3寸2分(40cm) 3尺1寸  (93.9cm)

〈厚さ〉
 

厚 さ

和紙の枚数

用 途

8番 約0.15mm 3枚貼り 小紋型用
9番 約0.17mm 3枚貼り カチン摺り用
10番 約0.2mm 3枚貼り 糸目型用
12番 約0.25mm 3枚貼り 小柄用
14番 約0.3mm 4枚貼り 伏糊・地型用


 

型紙の分類
デザイン・用法による分類:デザインでは、小紋型、縞型、着尺型、付下げ型、絵羽型があり、用法では、摺込型、写し型、関出し型(紅型)がある。
形態による分類:生(なま)型、糸入型、つり型、紗貼り型がある。生型は主に摺込友禅と伏糊用に、他は写し友禅、中形染、紅型染に多用される。
彫刻法による分類:使用用具による分類で、錐彫りと道具彫りは小紋の表現に、縞は引彫り、自由な図柄は突彫りで表し、他に一枚突彫りもある。
型紙を選ぶポイント
型紙の選定条件として、① 型置の際、生地に密着する、② 伸び縮みしない、③ 丈夫で長持ちする、④ 耐水性がある、⑤ 厚みを自由に選べる、⑥ 刃物でよく切れ、切り口が鋭い、等がある。