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生地に染料液を刷毛引きする際の前処理として、地入れ液を
生地につける工程を地入れと呼ぶ。
地入れに用いる糊料としては、古くから大豆と布海苔が用いられ、大豆は水で膨張
したものを粉砕して豆汁(ごじる)として用い、布海苔は水溶液にして、豆汁と混
合して用いる。
一般に、淡色には布海苔を多くし、中~濃色には豆汁を多くする。豆汁は、蒸しに
よって固化し、水洗では乖離しにくく、水洗後も生地に残留することが多い。従っ
て豆汁の量を多くすることは、チョークマーク(仕上げ後、生地面に爪で字を書く
と白い線が浮き上がったり、生地をしわにすると白い線として残るキズ)の一因に
もなるので、生地質や加工法などをよく見定めてその量をきめることが大切であ
る。 |
豆汁の製法 大豆を水につけ一夜間放置し、水で膨らんだ大豆を擂り鉢または電動ミキサーでよくすりつぶす。混合比は、大豆400gに対して水1lの割合で、出来上がった豆汁は木綿布で濾過する。
布海苔の製法 市販の布海苔(約30cm角)を2枚用意し、4lの水につけ込む。膨潤したら、水に浸したままとろ火でゆっくり煮て、焦げつかないようによく撹拌する。出来た布海苔液は冷めてから木綿布で濾過する。
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