友禅板に生地を貼りつけ、固定する作業を地貼りという。
友禅板は、すでに敷糊を塗布して乾燥してあるため、地貼りの際は、地貼り糊 (“とろ糊”と呼ぶ)を使って敷糊を再度湿潤させ、粘着性を持たせておく。友禅 板が乾かないうちに白生地の真ん中を剣先に合わせて、生地のタテ・ヨコ目が正し く揃うように貼る。
とろ糊の量は、生地の厚い縮緬では多くし、羽二重では少なくする。生地によって 加減し、梅雨時の湿度が高いときには、とろ糊の量は少なくする。
とろ糊の量が多いと、糊が生地に吸着して染めむら(“豆(ず)上がり”と呼ぶ) の原因になる。

全面柄の地貼り作業

(図)地貼り用生地の巻き方。白生地の染表を上に、両端から内側に同じ長さで巻き込む。
(写真①)とろ糊を引いた後、友禅板が乾かないうちに剣先より地貼りする。
(写真②)剣先部分に生地の真ん中が来るように置き、あて木をかまし固定する。
(写真③)両手で生地の反末を軽く引っ張る感じで持ち上げ、生地を板尻方向に伸ばす。
(写真④)板尻から剣先に向けて手のひらで軽くなでて貼りつける。
(写真⑤)反末を左手で軽く引っ張りながら生地表面の凹凸をなくす。
(写真⑥)地貼りが終わったら紙テープを生地の耳に沿って貼る。
エンブタ
エンブタを貼った部分は防染され、型置き後、エンブタをはがすと染色物に影響が及ばない。



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エンブタ


 

絵羽物の地貼り作業
絵羽模様の場合、連続模様とは違って、それぞれ模様が独立しているので、地色の みの部分が多い。
そこで、型置する部分だけを地貼りする。
まず生地を用意し、模様の入る位置を元の図案を使って確認し、化学青花を使って 印を入れる(墨打ち作業という)。地貼りのためのとろ糊を前もって引いた友禅板 に、染めつける部分の型紙の寸法分の生地を地貼りする。地貼りしなくてよい無地 部分の生地は手繰り寄せておく。地貼りが終わると、地貼りせずに手繰り寄せた生 地を固定する作業に入る。板揚げしても落ちないように、また型置作業中に汚れな いように工夫する。
なお絵羽物は、着物の部位によって袖、袖、身頃の順で染めつける。