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エッセイ

きものは真夏で勝負をかける?! 2010.08.03

今回から私の和箪笥の中味を「web虫干し」していきます。西陣の伝統工芸士だった父親の思い出深い着物から、かいらしい!(可愛らしい)娘時代のもの、そして現代のモダンな柄から今はもう作り手のないような貴重なものまで、その時々の思い出と共にご紹介していきましょう。

さて、今年は京都でも各地で災害をひきおこした梅雨も明け、盆地の京都名物、“あつおすなあぁ”という夏がやってきました。こんな暑い時節に着物なんて。。。と思う人は多いのですが、私は夏だからこそ着物が楽しめると思っています。いえ、着物は「夏が勝負!」なのです。

透け感のある着物や帯で、周囲の人には涼感と気品を漂わせる夏の着物。こんな婉曲した表現で日本人は涼やかさを伝える感性と、相手を気遣う心を培ってきたのです。こういう文化を廃れさせてはいけないと、私自身できるだけ夏も着物で出かけます。ただし本音は暑い。そこを涼しそうな顔をして過ごすことも、京都人の底意地なのです。

裏紗の着物・絽の帯
濃紺の裏紗(ウラシャ)は亡父が作ってくれた一枚です。裏にエンジ色の矢絣が織られており、歩くとちらちらと裾裏に矢絣が見え隠れするとても粋な日本人の遊び心です。帯は爽やかさをかもしだす白の絽(名古屋帯)を合わせてみました。現代的な幾何学模様と昔ながらの着物のコーディネートも着物の楽しさの一つ。私は夜の気軽なお食事会には帯締めに落ち着いたエンジ色と黒の夏物を合わせて少しシックな印象をコーディネートしています。
 
 
 
 
裏紗の着物・絽の帯
同様の裏紗の着物にピンクの絽の帯を合わせて、帯締めも華やかな色をもってくると、同じ着物でもずい分、印象が変わるものです。これは透かし柄のある絽の帯で、こういう帯はカラーの帯芯を合わせるとまた違う雰囲気の帯に仕上がりますよ。
 
 
麻の着物・麻の帯
麻の着物に麻の帯。昼間のお買い物や友人とちょっとランチ、なんていう時に私は着ていきます。麻はシワになるので嫌がる人もおられますが、“ほんまもん”の麻だからこそシワになり、それがまた風合いとして粋なおしゃれではないでしょうか。化繊などが混じった麻はシワになりにくいですが、私はやはり本物にこだわる派です。麻のしゃきっとした袖口から涼しい風が入ってきて、気分もさわやか。帯は「作家もん」といわれるもので、摺り込み京友禅の名古屋帯で、淡い水色の帯締めを合わせて着れば、これぞ“夏やなあ”というスタイルが完成です。
 
 
 
 
平絽の小紋・絽の袋帯
夏にきちんとした装いで、となると絽の着物に袋帯はしめていきたいもの。これは平絽の小紋ですが、訪問着に負けない豪華さがあって私の好きな一枚です。手書き友禅のあじさいが咲き誇り、華やかでしょ。注目してほしいのは、この着物は裾まわりの裏に白無地の絽が15センチほどつけてあること。衽(おくみ)にも着けてあり、これにより着た時にこの生地分がおもりとなって、しっとりと体の線に馴染んで、着た時の立ち姿がとてもすっきりするのです。夏の着物は薄ものなので、どうしても歩くとぺらぺらとした感じが出てしまいますが、こういう隠れたひと工夫が立ち振る舞いをとても美しくします。こんな見せない技が着物の魅力の一つではないでしょうか。帯は私が大好きな蝶々の柄で、銀色の六通。格調高く、小紋や訪問着にとても合わせやすく重宝する一枚で、もう40年以上前のものですが、昔の糸はよいので今でもシャキッとしています。帯締めは私が娘時代、母が用意してくれた1本を合わせてみました。
 
 
お召し紗・羅の帯
夏のお召し紗はさらさらしてとても肌触りよく、着心地も満点です。帯は箪笥の奧から出てきた羅の帯。緑と青のぼかしのように見えて、織りのすきの空間がいかにも涼しげに演出してくれる1本です。帯締めは白の変わり平打ちを合わせてみました。私は冷房のよく効いた夏場のコンサートなどへは、必ず着物か、せめて着物をリフォームした洋装で出かけるようにしています。和装は夏の冷えに悩む女性の強い味方としてもぜひお勧めですよ。
 
 
 
 
 
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