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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
「はじめての釣狐」 2003.07

 「茜ちゃん、明日狂言見に行かない?」夕方突然、友達から電話がかかってきたときには、あまりのタイミングに驚いて言葉が出ませんでした。というのも、そのとき、ちょうど狂言を習っている知人が、明日、茂山逸平さんが釣狐を披く公演に行くという話をしていたところだったのです。釣狐といえば、『猿に始まり狐に終る』といわれる、卒業試験みたいなもの。人気狂言役者が釣狐を披くとあってとんでもないプラチナチケット、わたしは手に入らなかったと話していたところに、棚からぼた餅。狂喜乱舞して幸運にあずかりました。
公演は移築してオープンしたばかりの金剛能楽堂。四条室町の昔ながらの雰囲気からうってかわって現代風の建物に生まれ変わっていました。
はじめて生で見た釣狐は、あまりの静寂と緊迫感に息をするのも忘れるほどでした。面をつけているので全く表情がわからない分、かえって動きのひとつひとつ、息づかいまでが伝わってくるのです。張り裂けそうな緊張感に舞台も客席も静まり返って、感覚がキリキリしていきます。今まで見た狂言の身体感覚に基く笑いの世界とは違う、狂言の持つ極みのひとつを知る、そういった体験でした。

 7月は祇園祭の季節。街中に浴衣姿があふれます。浴衣は気軽なきものですが、お祭りもないのに浴衣姿でいるのはなかなか気恥ずかしい感じ。お祭りがあっても、行き帰りの道中、なんだか歯がゆくなります。きっちりきものを着ていないという感じがだめなんでしょうね。そこで、今回は同じ浴衣を、半巾帯のお祭り仕様と、じゅばんを着てお太鼓をしめた少しきっちりバージョンの二つのコーディネイトにしてみました。同じきものもだいぶ印象が変わります。賢く着まわしたいところです。


綿麻の生地に絞りの朝顔
普通の小紋の浴衣と違って付下げみたいな柄付けがおもしろい
少し臙脂味がかった赤の浴衣は綿7:麻3の割合でさらっとした着心地
じゅばんを着て麻の名古屋帯をしめてきっちりと浴衣をきもの仕様で着ることも多い
 

懐中時計 髪飾り
白と黄色の麻の半巾帯は夏らしく帯結びは気分に合わせて毎回変えてみる

コントラストに小物を紺でまとめてすきっと着るのが夏のお洒落
   
貝でできた魚のかんざしはアジアン雑貨
縁日の金魚みたいな根付は表情がお茶目
   
 
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