お正月はいつも故郷の静岡に帰ります。今年は富士山をゆっくり拝したいと思い、馴染みの山に登ることにしました。家から歩いて15分くらいのところにある賤機山(しずはたやま)は、静岡の地名の由来にもなった山です。標高171mの低い山ですが、途中に社や古墳があって、ハイキングコースになっています。麓の静岡浅間神社は、わたしがお宮参りをして「茜」という名前をつけてもらった神社です。富士山を象徴する木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)をお祀りしているので、富士を仰ぐにはぴったりの場所です。
もともと運動が苦手なので「せんげんさん」の百段階段を上がるのさえ億劫なのですが、登ろうと心に決めているからか、階段も山道も意外に苦もなく進めます。筋肉痛になるのは御免なので途中休み休み登って、それでも30分くらいで山頂につきました。富士山の見えるポイントは何ヶ所かありますが、やはり山頂から見ると青空の下、静岡の町並みと山向こうに見える富士山がきれいです。30歳を迎え心機一転、丁寧に暮らしていこうと富士を望みながら誓いました。
賤機とは倭文(しず)を織る機のこと、倭文とは梶の木や麻などを染め、縞や乱れ模様を織り出した日本古代の織物のこと。賤機山だけでなく、親戚の住む地名に「麻機(あさはた)」「服織(はとり)」といった機に因むものが多いのも、何かの奇縁かしらと思います。
こうして故郷から離れた京都で、近所の家から機の音が聞こえる西陣に暮らしているのも、なんだか不思議な気がします。
|
 |
|