人形浄瑠璃といえば、大阪の国立文楽劇場。その20周年記念公演のひとつに、東京の国立劇場で『妹背山婦女庭訓』の通し狂言が行われると知って、思い立って東京行きを決意。大阪では直前でも比較的チケットが取れますが、東京では取れないと聞いていたとおり、昼の部は全日完売。夜の部の数枚残るばかりの券を押さえて、行ってきました。
『妹背山婦女庭訓』といえば、舞台は大化の改新のころ、荒唐無稽な世界ながら、采女の絹掛柳、神鹿殺し、石子詰めの刑、十三鐘、三輪の苧環など大和・奈良の伝説をちりばめた壮大な物語です。
やっぱり注目はお三輪(2003年10月参照)、道行恋苧環=Bあれっと思ったのはその衣裳、歌舞伎では十六むさしの着付(きもののこと)に段鹿の子のじゅばんなのに対して、文楽では緋と浅葱の段鹿の子が着付で緋のじゅばん。八百屋お七や火の見櫓の場のお嬢吉三を思い出します。緑(萌黄)の十六むさしは田舎娘という感じが強いですが、お七にちなむ段鹿の子は内に秘めた一途な恋心の強さを想わせます。橘姫の衣裳も違うので、三角関係の3人の織りなす色彩構成も、黒赤緑の歌舞伎に対して、文楽では黒、白に赤・水色とだいぶ印象が違って、興味深いところでした。
鹿殺しや入鹿誅伐の段が見られたのも、通し狂言だからこそ。また、同じ演目を歌舞伎と文楽で見比べるというのも、おもしろい経験でした。
人気の山の段が含まれる昼の部は当日券に並んであくる日に見ようと思っていたのですが、5時間強の長丁場に、連日は耐えられないとあきらめてしまいました。軟弱!
気温が高くなってくる5月末になると、普段のきものでは一足早く単衣を着ることもあります。この綿麻の楊柳のような風合いの単衣はもともとは浴衣として販売されていたもの。厚手の生地なので透けることもありません。黒地に魚柄、ちょうど渓流の鮎を想います。帯は季節の菖蒲が織り出された名古屋帯。祖母から譲り受けたとき夏帯に混ざっていたのと、ちょうど絽目のように5,6mm間隔で太い糸が織り込まれていたために、よく見もせずに絽の帯だと勝手に思い込んでいたもの。5月に締められないなんて、と思っていたのは大間違いで、袷の帯だったのでした。きものは単衣でも、5月のうちは帯や小物は袷仕様にしています。5月になると使いたくなる紺色を、半衿や小物に使いました。
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黒地に鮎の柄の綿麻の単衣
‘ちぢみ布’といって、楊柳のような風合い 洗える天然素材の綿・麻は着心地も扱いやすさも夏向き |
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| 浴衣として着たとき、あまりに汗をかいたため、裄がちょっとちぢんでびっくり 洗ってアイロンで伸ばしたら元に戻りました |
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