「きょうとぉ〜 おおはら さんぜんいん」の歌詞にあるよう、”結城紬”に”塩瀬の帯”を結ぶべきか迷いながら、今日は地味目の村山大島のアンサンブルを着ることにいたしましょう。大原のあたりは洛中に比べ気温が低いのでもちろんショールも忘れずに・・。
国道367号線、大原バス停あたりの駐車場は車で満杯。人、人、人で賑わう参道の坂を歩きながら、呂川のせせらぎの上に掛かる紅葉を眺めます。色づき加減100%とは言えませんが、ほどよい赤さ、三千院から降りてくる人とすれ違うとき、「上の方はどうですか?(色づき加減)」と声掛け合うのがお約束?漬物やポン酢、みたらし団子や煎餅や鯖寿司、大原の名物を売る土産物屋の誘惑に負けそうになりながら、雑踏の中を進みます。
石段を上げればそこが三千院門跡。三千院は天台宗五箇室門跡のひとつ、およそ2600平方メートルの境内には往生極楽院、本尊薬師如来(秘仏)・救世観音・不動明王(伝・慈覚大師作)を祀る寝殿があります。竹内栖鳳・望月玉泉・今尾景年・菊池芳文などの襖絵がある客殿、客殿の前には江戸初期の茶人、金森宗和が手がけたと言われる池泉鑑賞式の庭園・聚碧園、宸殿前の庭園・有清園では、美しい四季の景色を存分に楽しむことができるのです。客殿内は撮影禁止ですが、庭園はOK。多くのアマチュアカメラマンが、しきりにシャッターを切っていました。写経を体験することもでき、その堂内だけは静か、お釈迦様に願いを込めて一字一字写しましょう。
光が当たると紅葉はいっそう、深紅に輝きます。逆光気味が本当にキレイ。
まだ青い葉もありますが、青から黄色、そして橙色から赤へのグラデーションの美しさと言ったら、まるで和菓子がきものの絵柄のよう。デジカメやカメラ付き携帯に収め、知人に送ったりホームページやブログで公開するのが現代人とするなら、むかしの人は筆と紙を使い、また、なにより自身の目と心で紅葉の美しさを記録したのだろうなぁと、しみじみ思ったり・・。
それにしてもシニア勢が目立っています。きものを纏ったグループもチラホラ。さすがにセンス抜群、年季の入った着こなしをされているようで、「うーん、(失礼ながら)きっとお値段もなかなかのものをお召しになっていらっしゃるのでは!!」と感服せざるを得ません。
京都大原、三千院、紅葉、きもの、熟年カップル、高級カメラ、これらのキーワードに確かなる豊かさを覚えながら、「一隅を照らす これ則ち国宝なり」という天台宗の教えの意味を考えてみました。
駐車場を仕切る地元のおばあちゃんに”ゆずの実”を一つもらい、”おんなひとり(ぼっち)”の紅葉鑑賞は終わりました。
「失恋を癒す女一人旅」のように思われたのかもしれません(笑)。 |